警察官が自衛官を名乗るとき

先日接見待ちで警察署のベンチに座っていると、初老の警官が話しかけてきました。よく聞くと部下が出会い系サイトで関係をもった女性の旦那から百万円の慰謝料を要求されたとのこと。それも昇任したばかりのタイミングに三年前の一回だけの不貞で百万円を請求されたそうであります。警察ではこういう不祥事が明るみに出ると階級を一つ落として解決を図る不文律があるそうで、相手はそれを知って昇任する時期を手ぐすね引いて待っていたのではないかとその警官は言っていました。私は弁護士然と「それってよくある美人局じゃないですか?一回で百万円は高すぎますね。そもそも結婚してるって知らなかったって言えばよかったのに…、全く人がいいですね。」と言ったところ、その初老の警官は待ってましたと言わんばかりに「弁護士さん、そいつもそう言ったんだよ。でもね、そのサイトが人妻専用のサイトだったんだなぁ。無理だよなぁ、ワッハハ。」と上機嫌で引き揚げていきました。数多の法律サイトではこの場合どうすればよかったのでしょうか?という流れになるのでしょうが、私からは取り急ぎ社会的地位がある人は自分の行動に責任を持ちましょうということだけ告げさせて頂きます(笑)

一昔前まで、警察官は「俺たちは自衛官だ。」と言って歓楽街で羽目を外していました。果たして、今はどうなんでしょう。自衛官は10年前とは比べ物にならない程の社会的地位にあります。かつてとはまた違った意味で「俺たちは自衛官だ。」と言っているかもしれません。

冗談はさて置き、警察官は制服を脱ぐと絶対に自らの素性を明かさないそうです。説明するまでもなく、警察官は色々と恨まれることが多い職業です。また、国家権力を身に纏って日中を過ごし、常に市民より強い立場にいなければならないため非番の時くらい普通の人間でいたいというのが実情だそうです。

ただ、自分が普通の人間でいるつもりになっても、傍から見ればおそらく普通の人間ではなく、勿論社会的地位はついて回ります。社会的地位のある人間が素性の知れない女性と待ち合わせをするときは、それなりの覚悟をもってその場に向かうことです。そういえば今は立派になった私のレンジャー同期も自衛官の身分証をコインロッカーに入れてその場に向かっていました。

最低限、何かあった時のために当事務所の電話番号をメモすることは忘れずに!それでは、皆様の週末が良きものであることを祈ります。

 

 

 


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