元自衛官弁護士の告白


0812-12

初めまして五領田有信です。私は社会全体を考えて行動する人間になりたいと自衛隊に入りました。陸上自衛隊の最前線の部隊を渡り歩き、青春の全精力を国防に捧げ尽して来たと自負しています。 戦闘訓練中の怪我で求められる訓練が出来なくなり途方に暮れていた私に、司法試験を勧めたのは私の母でした。幼少のころ勉学を叩き込んだ母の誘いにより、私は30歳を完全に過ぎてから司法試験に挑戦することになったのです。3,4年で片が付くと思い込んでいた司法試験。その青写真は脆くも崩れ、泥沼の受験戦争に突入します。退職金は恐ろしいくらいあっという間に底をつき、しかも、気付くと子供が二人出来ています。自衛隊に精強という言葉がありますが、生き恥を晒しながらも子供を背負い、必死に頭を擡げて前に進もうとしていたあのとき程その言葉の意味をえたことはなかったように思います。

さて、国内外の情勢が変化の一途を辿る中、脅威は容易に国境を越えてくる時代を迎えようとしています。他方で、国内においても大規模災害がいついかなる場所で生気してもおかしくない状況にあります。自衛隊員に求められる能力と準備は私が戦闘服を着ていた頃とは格段に高いそれを求められていることは明らかです。草を噛んででも国境だけは守ると云った浪花節では済まされないリアルな時代が個々の自衛隊員に訪れているのです。このような時代に戦闘服を着ることを想像すると、私はただゾッとするとともにとても後ろめたい気持ちになります。

しかしながら、このたび私が立ち上げた法律事務所はここ左の聖地さいたまにあって自衛隊のレンジャーを銘打ち、しかも不撓不屈と勝利者の象徴であるレンジャーのバッチまで使用しております。後ろめたい気持ちを必死に押し殺しながら、一瞬一瞬の覚悟を以って看板を掲げているのです。この危機感を持ち続けることがおこがましくも私に課せられた任務であるかのように、案件によっては危険を省みず、誰でもない元自衛官として闘争業としての弁護士業を営んでいくつもりです。

皆様の使命をお待ちしております。